藍染め体験

だいぶ前の話ですが・・・。そしてこの間もちらっと触れたのですが・・・。
 
GWにTシャツの藍染め体験に行ってきました。体験なんて・・・と思ってたのですが、観光用の体験ではなく本物により近い体験でした。
 
まず、藍作りや、その歴史について講義。質疑応答。色々なことを初めて知りました。印象に残ってるのは、藍(インディゴ)と言っても二つの種類にわけられるということ。化学染料を用いたインディゴと、化学染料を用いていない藍(すくも)のジャパンブルー
 
化学染料を用いたインディゴは手間がかからず、量産でき、安価なため広く普及しているそう。ここ最近、インディゴブームのようですがそのほとんどは化学染料でそめているのではないかな。化学染料を用いていない藍(すくも)からつくるジャパンブルーは、手間がかかり、量産ができないため、インディゴに取って代わられたそう。手間やコストの割に儲けが少ないため、藍農家はどんどん減っています。
 
では、インディゴとジャパンブルーの違いは何か。色落ちの違いだとおっしゃってました。インディゴは、粒子が小さく生地に食いつく力が弱い。ジャパンブルーは、粒子が大きく生地に食いつく力が強い。というようなお話をされていました。その話を聞いたとき、なぜかパックマンを思い浮かべてしまいました(笑)小さなパックマンは噛む力が弱く、大きなパックマンは噛む力が強い。
僕はてっきり逆だと思ってました。小さな粒子がぎゅうぎゅうに噛みついてるのがジャパンブルーだと思ってたのです。このはなしには、思わず「へぇー。」と声が出ました。
 
ということで、ざっくりに言うと、インディゴはすぐに色落ちしやすく経年変化を早く楽しめることができる。ジャパンブルーは色落ちがしにくく経年変化をじっくりと楽しむことができる。という違いみたいです。先生の『ジャパンブルーは色褪せるのではなく、洗いをかけると色がどんどん鮮やかになる。』という言葉が今も心に残ります。
 
質疑応答が終わると、いよいよ染め体験。の前に、休憩。藍のお茶が出てきました。↓

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青い色なので見た瞬間、ぎょっとしました(藍なので青いのは当たり前ですが)。飲んでみると、さわやかな麦茶、えぐみのない麦茶といった感じでした。
 
一息ついて、いよいよ染め体験。染料が入っている罐の蓋(かま)を開けると、どくとくな匂いがあたりに漂います。卸したてのジーンズのような。剣道をしたことのある人なら分かると思いますが、真新しい袴の匂い。あ~、この匂い懐かしいなぁ 落ち着くなぁと思ったのは、きっと僕が剣道をしていたからです。
 
罐は全部で三つ。発酵具合が違うのでそれぞれ色の濃さが違います。僕は濃い色で模様なしのものを作ろうと思ってたので、一番、濃い状態の甕を希望しました。模様も自分のオリジナルが出せます。ボーダー、絞り、などなど。作り手によって様々です。
 
サイズを選び、いよいよ染色します。このTシャツ↓
 

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「柄なしで、一番濃い色にしたいです。」とお願いしました。
手順は、
①肩(写真の手の位置)の部分を持って、甕にゆっくりと浸していく。
②繊維の間に潜む空気を手でしぼって逃がす。襟、袖の部分は特に念入りに。
③染料が充分染みたら、甕から出し、ぎゅっとしぼって余計な染料を出す。
④Tシャツを空気に触れさせる。
これを3回繰り返します。
 
染料は空気に触れることでジャパンブルーに染まるので、むらなく均一に仕上げるためには、③④の作業を素早く行わないといけません。さらに④の作業は、鯉のぼりが風でたなびいてるようにTシャツの中まで空気を通します。
 
染色が終われば、後処理。それぞれ、水の入った樽が3つあって、それぞれに一回ずつ水にさらします。その後脱水して、室内干し。
僕は素手で作業をしたので写真の通り。(ゴム手袋も借りられますが、せっかくなのでと断りました(笑))
 

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爪のブルーはしばらく残ってくれました。
 
室内干ししている間、藍の畑を見学。快晴で気もちのよい青空が広がってました。
 

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これにて体験終了。ですが、よりよい藍染めTシャツにするために家での後処理が待っていました。